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<学閥は数と率はどちらが重要か>

 学閥の強さを測る際に役員数と輩出率つまり、数と率はどちらが重要であろうか。一般的には数の方が重要と 言われているのではなかろうか。名門私大は 日本全国どこへいっても先輩がいるし同窓会がある。やはり心強いことであろう。しかし、 私は数が絶対ではないと考えている。理由は以下のとおりである。
■人数が多過ぎるとまとまりがなくなる。逆にいろんな面で競争が生じたり、 下手すれば敵対したりする。大企業では飲会も一度に全員は無理である。理屈としては新人一人当たりの有力な 先輩数というのが大事ではなかろうか。
■例えば電力会社などはかなり出身大学が偏っているが、入社数・管理職数・役員数を見てみると、 多数派が必ずしも有利とはなっていないようである。東大→東電あるいは京大→関電というコースより、逆に他の会社に行った方が役員になる確率は高そうである。
■国立大出身者は国立大出身者どうしで連帯感が生まれる。価値感・環境も似ている。また、 旧帝大に限れば七帝戦→学士会(旧帝大のOB会)の結束は思った以上に強い。
■社外人脈は社内以上に重要な場合も多い。特に官公庁関係の人脈は重要である。そういう面で国立大が有利そうである。

<文系と理系はどちらが有利か>

文系と理系ではどうであろうか。数値を見ると東大工学部で1980年定員1100人。上場企業 役員298人(学部+院)。輩出率は0.27となり、同じ東大の法学部や経済学部の1/4以下である。早慶の法・商 と比べてもとても及ばない。他の大学でも同じような感じである。やはり、企業において花形は営業・財務 などであろう。
ただし、これからは変わっていくであろう。理系で金融工学 を学んだMBA取得者が脚光をあびていたが、これから有望であろうし、院卒というステータスも大きいであろう。 今までの「文系有利。」という不公平は必ず是正されていくであろう。しかし、役員輩出率という尺度では上記数値 の逆転は難しいのではなかろうか。

<今後も学閥は存続するのか>

  今後の事を考えると、世間で言われているように学閥というものは やはり無くなっていくであろう。現在はいろんな指標において、かなりの大学格差は見られる。しかし、学力を基準 にした振り分けと個人の能力に強い相関があるのは確かであろう。また、就職者数の違いがそのまま実社会の実数に なっているのも確かであろう。そして、その就職の格差が急速に無くなってきているのは先に述べた通りである。 昇進についても最近はシステムにのっとった公平な人事に変わりつつある。 今の学生世代が管理職になる頃では非合理的な差別は無くなっているのではなかろうか。
 大学を選ぶ基準としては一番大事なのはやはり偏差値であろう。先輩後輩などの人脈より、 「高偏差値=高ステータス」の方が重要ではなかろうか。また、大学選びの際、立地やサークル活動などたくさん の要素に比べ「学閥」はやはり重要性では劣る。
 また会社選びについてもやりたいことや給料などの待遇の方がはるかに重要なことであろう。 結論として思うことであるが、今後の大学力は入試偏差値に ほぼ相関して行くであろう。どこに行っても著しく損という大学はないであろう。
 しかし、ほんの一握りの大学に関しては得することがあるのでは なかろうか。伝統が有り同窓会の結束が強く、学生同士仲の良い大学。そして、皆が希望を持ち頑張っている大学。 そういう大学に入ることができれば、なんらかの期待をしても良いのではなかろうか。
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